ローコストでありながら自由設計が魅力のアイダ設計。
しかし、「価格が安い分、断熱性能は大丈夫?」「冬は寒い家なのでは?」といった疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
家の性能、特に断熱性は、日々の快適さや光熱費に直結するため、家づくりにおいて非常に大切な要素です。
この記事では、アイダ設計の住宅が持つ断熱等級や具体的な性能について、主力商品ごとに詳しく掘り下げていきます。
標準仕様でどの程度の性能があるのか、より高い断熱性を求める場合の選択肢は何なのか、この記事を読めばアイダ設計の断熱性能に関するあなたの疑問が解消されるはずです。
- アイダ設計の断熱性能に関する評判の真相
- 主力商品の標準的な断熱・耐震等級
- より高性能な住宅にするための選択肢
- 価格と性能のバランスを踏まえた賢い選び方
アイダ設計の断熱等級は低い?主力商品を解説

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アイダ設計の家づくりを検討する上で、多くの方が気になるのが断熱性能です。
ここでは、価格帯のイメージから持たれがちな評判の真相を探りつつ、主力となる各商品の標準仕様がどのような性能を持っているのかを具体的に見ていきましょう。
アイダ設計の家は寒いという評判の真相は?
「アイダ設計の家は寒い」という評判を耳にすることがありますが、その背景にはいくつかの要因が考えられます。
一つは、ローコスト住宅全般に対するイメージからくる先入観です。価格を抑えるために性能が犠牲にされているのではないか、という懸念が評判につながっている可能性があります。
しかし、現在の住宅建築技術は進化しており、アイダ設計も例外ではありません。
国が定める省エネルギー基準は年々厳しくなっており、その基準を満たすことが求められます。
したがって、「アイダ設計の家が一概に寒い」と結論づけるのは適切ではありません。
住宅の断熱性能は、選択する商品シリーズや追加するオプションによって大きく変動します。どのレベルの性能を求めるかによって、満足度は変わってくると言えるでしょう。
ブラーボ2の標準仕様で実現する断熱性能

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アイダ設計の主力注文住宅である「断熱と耐震の家 BRAVO 2」は、その名の通り、高い断熱性能を標準仕様で実現しているのが特長です。
このモデルは、2023年3月にリニューアルされ、昨今の省エネ意識の高まりやライフスタイルの変化に対応する性能を備えています。
具体的には、壁や屋根に高性能なグラスウール断熱材を隙間なく施工することで、家全体を魔法瓶のように包み込みます。
さらに、熱の流出入が最も多い開口部、つまり窓と玄関ドアにも高性能な断熱対策が施されています。
窓には、特殊な金属膜をコーティングしたLow-E複層ガラスを採用し、ガラスの間には断熱効果を高めるアルゴンガスが封入されています。
これらの仕様により、「BRAVO 2」は標準的なプランで国の定める断熱等性能等級5をクリアする実力を持っています。
これにより、外気の影響を受けにくく、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を維持しやすくなります。結果として、冷暖房の効率が向上し、光熱費の削減にも繋がるのです。
ZEH仕様のブラーボゼネクトの標準仕様

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「BRAVO ZNEXT(ブラーボ ゼネクト)」は、アイダ設計が提供するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準に対応した高性能住宅です。
ZEHとは、高い断熱性能をベースに、省エネ設備と創エネ設備(太陽光発電など)を組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量をおおむねゼロにすることを目指す住宅を指します。
「BRAVO ZNEXT」は、UA値(外皮平均熱貫流率)0.46以下を指標としており、これは北海道エリアの省エネ基準に相当する高い断熱性能です。
この性能を実現するために、高性能な断熱材はもちろん、全熱交換換気システムが標準装備されています。
このシステムは、換気の際に捨ててしまう室内の熱を回収して取り入れる外気に移すため、冷暖房のエネルギーロスを大幅に削減できます。
また、高効率なエアコンも標準で備わっています。太陽光発電システムで創った電気を効率よく使うことで、光熱費を大幅に抑えることが可能です。
実際に、太陽光発電を搭載した「BRAVO ZNEXT」の居住者データでは、電気を売った金額(売電額)が買った金額(買電額)を上回る月も多く、環境にも家計にも優しい暮らしが期待できます。
ブラーボ スタンダードの耐震等級と基本性能
「BRAVO 2」の前身モデルである「断熱と耐震の家 BRAVO(スタンダード)」の時点から、アイダ設計は耐震性能にも力を入れてきました。
日本の住宅において、地震への備えは断熱性能と並んで非常に重要な要素です。
「BRAVO スタンダード」では、地震の横揺れに対して強い力を発揮する「面材工法」が採用されています。
これは、柱や梁といった「線」で支える伝統的な工法に加え、構造用面材という「面」で建物全体を一体化させる考え方です。
地震のエネルギーを壁全体で受け止めて分散させることで、接合部への力の集中を防ぎ、建物のねじれや倒壊のリスクを低減します。
この構造により、震度7クラスの揺れにも耐えうる耐震実験をクリアするなど、確かな裏付けのある安全性を確保していました。
この高い耐震性能へのこだわりは、現行の「BRAVO 2」にも引き継がれており、多くのプランで耐震等級3相当の性能を実現する基盤となっています。
驚きの価格、999万円の家の断熱性能は?

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アイダ設計のラインナップの中でも特に目を引くのが、「999万円の家」です。
この価格で自由設計の注文住宅が建てられるという点は、大きな魅力と言えるでしょう。
しかし、多くの方が気になるのは、その価格で断熱性能がどの程度確保されているのか、という点ではないでしょうか。
公式サイトの情報では、この「999万円の家」でも、標準仕様で断熱性能や省エネ性能を備えているとされています。

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例えば、浴室には4時間で湯温の低下が2.5℃以内という高断熱浴槽(サーモバスS)が採用されるなど、快適性を高める工夫が見られます。
ただし、具体的な断熱等級の数値は明記されていません。一般的に、この価格帯の住宅では、2025年から新築住宅に義務化される省エネ基準、すなわち断熱等性能等級4を満たすレベルが想定されます。
上位モデルである「BRAVO 2」が標準で等級5であることを考えると、同等の性能を期待するのは難しいかもしれません。
価格を最優先しつつ、断熱性能もある程度確保したいというニーズに応える選択肢ですが、より高い快適性を求める場合はオプションの追加や上位モデルの検討が推奨されます。
アイダ設計の断熱等級と性能を示す具体的な数値

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アイダ設計の住宅性能を客観的に判断するためには、断熱等級やUA値といった具体的な数値に注目することが大切です。
ここでは、各商品がどの等級をクリアしているのか、さらに性能を高める選択肢、そして耐震性や価格とのバランスについて深掘りします。
主力商品が標準でクリアする断熱等級5

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前述の通り、アイダ設計の主力商品である「BRAVO 2」は、標準仕様で「断熱等性能等級5」をクリアしています。
この等級は、2022年4月に新設された比較的新しい基準であり、それまでの最高等級であった等級4よりも一段上の性能を示します。
断熱等級5とはどのようなレベルか
断熱等級5は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)として求められる断熱性能(UA値0.60以下 ※6地域の場合)とほぼ同等の水準です。
これは、暖冷房にかかるエネルギー消費量を、等級4の住宅に比べて約20%削減できるレベルとされています。
この性能により、少ないエネルギーで家全体を快適な温度に保ちやすくなり、冬場のヒートショックリスクの低減や、夏場の熱中症予防にも繋がります。
コストを抑えながらも高い基本性能を実現している点は、アイダ設計の大きな強みと考えられます。
オプションで実現する上位の断熱等級6
標準仕様でも高い性能を誇るアイダ設計ですが、さらに上の快適性を求めるユーザーのために、断熱性能を最高レベルまで高めるオプションも用意されています。
それが「高断熱パック」です。
このオプションパックを利用することで、「断熱等性能等級6」という、ZEH基準をさらに上回る高性能な住まいを実現できます。
高断熱パックの具体的な仕様
「高断熱パック」では、断熱性能を極限まで高めるための特別な仕様が採用されています。
例えば、関東などの3・4地域では、壁の内側に断熱材を充填する従来の工法に加え、外側にも断熱材を付加する「ダブル断熱」工法が用いられます。
これにより、熱が伝わりやすい柱からの熱損失(ヒートブリッジ)を防ぎ、気密性も向上させることが可能です。
また、開口部には、3枚のガラスで構成される「トリプルガラス樹脂窓」や、厚さ70mmの高性能断熱パネルを使用した玄関ドアが採用されます。
これらの組み合わせにより、外気温の影響をほとんど受けない、極めて快適で省エネな居住空間が生まれます。
初期費用はかかりますが、長期的な光熱費の削減や、他に代えがたい快適性を手に入れたい方にとって、非常に価値のある選択肢となるでしょう。
UA値で見るブラーボシリーズの断熱性能

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断熱性能をより具体的に示す指標として「UA値(外皮平均熱貫流率)」があります。
これは、住宅の内部から床、壁、天井、窓などを通して外部へどれくらいの熱が逃げやすいかを示した数値で、この値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
アイダ設計では、商品ごとにUA値の目安が示されています。
例えば、「BRAVO 2」の参考プランではUA値が0.55とされており、これは断熱等級5の基準(6地域で0.87以下)を大きく上回る数値です。
さらに、ZEH仕様の「BRAVO ZNEXT」ではUA値0.46以下を指標としており、これは断熱等級6の基準(6地域で0.46以下)に匹敵する、非常に高いレベルです。
UA値を比較する際の注意点
UA値は、家の形状や窓の大きさ、数によって変動する点には注意が必要です。
同じ延床面積でも、凹凸の多い複雑な形状の家や、大きな窓をたくさん設けた家はUA値が大きくなる(断熱性能が下がる)傾向にあります。
そのため、カタログなどに記載されているUA値はあくまで参考値として捉え、実際の設計プランに基づいた数値を確認することが大切です。
アイダ設計では自由設計が基本となるため、プランニングの段階でUA値についても相談すると良いでしょう。
安心の住宅性能を支える耐震等級3
住まいの性能を考える上で、断熱性能と並んで欠かせないのが耐震性能です。
アイダ設計では、多くの商品で「耐震等級3」相当の性能を標準としています。この等級は、住宅性能表示制度において定められた最も高い耐震レベルです。
耐震等級1が建築基準法で定められた最低限の基準(震度6強~7の地震でも倒壊・崩壊しないレベル)であるのに対し、耐震等級3はその1.5倍の地震力に耐えられる強度を持つことを示します。
これは、災害時の救護活動の拠点となる消防署や警察署など、特に高い安全性が求められる建物の耐震性能に匹敵します。
アイダ設計では、この最高等級の耐震性を実現するために、前述の面材工法に加え、床面を一体化させて水平方向の力に対する強度を高める「剛床工法」などを採用しています。
実際に、独立行政法人土木研究所にて震度7クラスの加振実験を行い、その安全性を検証しています。
断熱性だけでなく、万が一の災害から家族と財産を守るための構造的な強さも、アイダ設計の家の大きな特徴です。
気になるブラーボの価格とコストバランス
高い性能を持つ「BRAVO」シリーズですが、やはり気になるのは価格です。
アイダ設計のホームページなどで公開されている情報や口コミを総合すると、「BRAVO スタンダード」の坪単価は35万円~55万円あたりが目安とされています。
これは、他の大手ハウスメーカーと比較すると、かなりコストを抑えた価格設定です。以下に、主力他社との坪単価の比較表をまとめました。あくまで一例となりますが、ご参考ください。
ハウスメーカー名 | 坪単価の目安 | 特徴(簡潔に) |
---|---|---|
アイダ設計 | 33万~55万円 | ローコストながら自由設計に対応。自社工場でのプレカットでコスト削減と品質維持を両立。 |
タマホーム | 40万~80万円 | 良質かつ低価格な住宅を提供。豊富な商品ラインナップと分かりやすい価格設定が魅力。 |
アキュラホーム | 50万~80万円 | 適正価格を掲げ、完全自由設計と高いデザイン性を両立。ZEHや高耐久住宅にも注力。 |
一条工務店 | 60万~100万円 | 「家は、性能。」を掲げ、業界トップクラスの断熱性・気密性を誇る。標準仕様が充実。 |
セキスイハイム | 60万~130万円 | ユニット工法による工場生産で、高品質かつ短工期を実現。鉄骨系と木質系の両方に対応。 |
このコストパフォーマンスの高さを実現している背景には、アイダ設計独自の企業努力があります。
例えば、木材を自社のプレカット工場でミリ単位で加工することで、現場での作業効率を高め、コストを削減しています。
また、キッチンやバスルームといった設備をメーカーから一括で大量に仕入れることで、仕入れ価格を抑えています。
これらの取り組みにより、「正直価格」を掲げ、断熱等級5や耐震等級3といった高性能な住宅を、手の届きやすい価格で提供することが可能になっています。
ただし、これはあくまで標準仕様での価格です。
予算内で理想の住まいを実現するためには、どこにこだわり、どこでコストを調整するかのメリハリをつけた計画が鍵となります。
まとめ:アイダ設計の断熱等級と賢い選び方
以下に、記事の要点をまとめました。
- アイダ設計の断熱性能は選択する商品やオプションで大きく変わる
- 「寒い」という評判は過去のイメージや特定のモデルに起因する可能性がある
- 主力商品「BRAVO 2」は標準仕様で断熱等級5をクリア
- 「BRAVO 2」は高性能グラスウールやLow-E複層ガラスを標準採用している
- さらに高性能なZEH仕様の「BRAVO ZNEXT」も選択可能
- 「高断熱パック」オプションを利用すれば最高等級の断熱等級6を実現できる
- 価格を抑えた「999万円の家」は断熱等級4相当と想定される
- 断熱性能はUA値という具体的な数値で比較検討することが大切
- 多くの商品で最高ランクの耐震等級3を確保しており安全性も高い
- 面材工法や耐震実験により、確かな耐震性能を追求している
- 自社プレカット工場や建材の一括仕入れで高いコストパフォーマンスを実現
- 求める断熱レベルを最初に明確にすることが家づくりの第一歩
- 長期的な光熱費を考慮すれば高性能モデルへの初期投資も一つの手
- 初期費用を抑えたい場合は標準仕様をベースに必要なオプションを追加する
- 最終的には予算と性能のバランスを見極めて商品を選ぶことが後悔しないコツ
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