ローコストハウスメーカーとして高い知名度を誇るタマホーム。
「価格を抑えてマイホームを」と考える多くの人にとって、魅力的な選択肢の一つです。
しかし、その一方で「タマホームで豪邸のような立派な家は建てられるのだろうか」という疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、「タマホームで豪邸を建てたい」と考えるあなたへ向けて、その実現可能性を徹底的に解説します。
タマホームの価格設定や主力商品「大安心の家」の特徴、間取りの自由度から、実際に建てる際の注意点まで掘り下げていきます。
この記事を読み終える頃には、タマホームでどのような家が建てられるのか、そしてあなたの理想を叶えるための具体的な方法が明確になっているはずです。
- タマホームで実現できる豪邸の具体的なイメージ
- 主力商品「大安心の家」のリアルな価格と充実した仕様
- 広い家を建てる際に後悔しないための注意点
- コストを抑えつつ理想の家を建てるための選択肢
タマホームで豪邸は本当に建てられる?

注文住宅のソコが知りたい・イメージ
多くの方が抱く「タマホームで豪邸は建てられるのか」という疑問に答えるため、まずは「豪邸」とはどのような家を指すのか、そしてタマホームの基本的な価格設定や仕様、間取りの可能性について解説します。
ローコストのイメージと、豪邸という言葉が持つ豪華なイメージのギャップを埋めていきましょう。
そもそも、豪邸は何坪からが目安?
一般的に「豪邸」と聞いて思い浮かべる家に、明確な定義があるわけではありません。
しかし、一つの客観的な指標となるのが「広さ」です。(社)住宅金融支援機構の2022年度の調査によると、注文住宅の全国平均の延床面積は123.6㎡(約37坪)でした。
この数値を基準に考えると、延床面積が100坪(約330㎡)を超えるような住宅は、平均の2.5倍以上の広さを持つことになり、多くの人が「大きい家」、すなわち「豪邸」と認識する一つの目安になるかと思います。
もちろん、広さだけが豪邸の条件ではありません。都心の一等地であれば土地代だけで数億円に達することもあり、面積が小さくても総額としては豪邸と呼ぶにふさわしい場合があります。
また、使用される建材の質やデザイン性、設備のグレードなども重要な要素です。
大理石をふんだんに使った内装や、著名な建築家が設計したデザイン性の高い住宅、プールやシアタールームといった特別な設備を持つ家も、豪邸のイメージに合いますよね。
したがって、豪邸とは広さ、立地、建材、デザイン、設備のいずれか、あるいは複数が突出して豪華な住宅を指す、相対的な概念であると言えるでしょう。
タマホームで豪邸は実現する?
「結局のところ、タマホームで豪邸は建てられるのか?」という問いに、建てられるか建てられないかの二者択一で答えるならば、その答えは「可能」です。
タマホームは自由設計を基本としており、延床面積100坪を超えるような物理的にスケールの大きな家を建てることは技術的に全く問題ありません。
ただし、「豪邸」という言葉には、単なる広さや価格といった物理的な指標だけでなく、目に見えにくい価値が含まれている点も考慮する必要があります。
その一つが、ハウスメーカーが持つ「ブランドイメージ」や、多くの人が無意識に抱いている「先入観」です。例えば、高級車ブランドの車と大衆車ブランドの車では、たとえ性能や価格が同等でも、世間が抱くイメージやステータス性は異なります。
これと同じように、タマホームで数千万円以上かけて広大で立派な家を建てたとしても、「タマホーム=ローコスト」という強いブランドイメージを持つ人からは、「所詮ローコストメーカーの家」という色眼鏡で見られてしまう可能性は、残念ながら否定できません。
モノとしては豪華な家を建てることはできても、誰もが認めるブランド価値を伴った豪邸と見なされるかは、また別の話と言えるでしょう。
タマホームの1000万の家とは?
タマホームは過去に「大安心の家5シリーズ」といった規格住宅で、本体価格500万円台からのプランを提供していた時期があり、「タマホームなら550万円で家が建つ」という噂が広まりました。
また、20代をターゲットにした規格住宅「シフクノいえ」も1000万円を切る価格帯で提供されていましたが、これらは期間限定商品であり、2025年現在では販売を終了しています。
近年のウッドショックや円安に起因する資材価格・人件費の高騰により、現在では1000万円で家を建てることは現実的に非常に困難です。
タマホームの現行商品で最も価格を抑えた「木麗な家」や規格住宅「シフクノいえ プレミア」でも、建物の本体価格だけで1200万円以上からのスタートとなるのが実情です。
さらに、この価格には屋外の給排水工事などの付帯工事費や、登記費用・ローン手数料といった諸費用が含まれていません。
1000万円台で家を建てるという選択肢は存在しますが、それはあくまで小規模な住宅であり、豪邸とは異なるコンセプトの家づくりになります。
価格を抑えるタマホームの標準仕様
タマホームがなぜコストを抑えながらも質の高い住宅を提供できるのか、その理由は①充実した標準仕様②独自のコスト削減システムにあります。
多くのハウスメーカーがオプションとして設定するような設備が、タマホームでは標準で含まれていることが少なくありません。
これにより、追加費用を抑えながら満足度の高い家づくりが可能になります。
充実の設備ラインナップ
タマホームの標準仕様では、国内の大手メーカーの設備が採用されています。
例えば、キッチンはクリナップ、LIXIL、EIDAIから、ユニットバスはTOTO、LIXIL、Panasonicから選ぶことができ、いずれも機能性とデザイン性を兼ね備えた製品です。
特に、1階のトイレにはタンクレストイレが標準で採用されており、これは他のローコストメーカーではオプション扱いになることが多い設備です。
また、熱交換型の第一種換気システムや、開放感を生む2.5mの天井高も標準仕様となっており、価格以上の価値を感じさせるポイントです。
独自のコスト削減努力

タマホーム公式サイト
この高いコストパフォーマンスを支えているのが、タマホーム独自の流通・生産システムです。
国産材を安定的に確保するための流通システム「タマストラクチャー」を構築し、中間マージンを徹底的にカットしています。
さらに、キッチンやバスなどの住宅設備をメーカーから大量に一括購入することで、仕入れコストを大幅に削減し、それを価格に還元しています。
こうした企業努力が、ローコストでありながらも満足度の高い標準仕様を実現させているのです。
豪邸で人気の間取りは実現可能か
タマホームは自由設計を基本としているため、施主の要望に応じた柔軟な間取りのプランニングが可能です。
実際に、延床面積60坪を超える二世帯住宅で、二つのリビングと多数の居室を持つ8LLDDKKといった大規模な間取りが建てられた実例もあります。
ただし、構造上の制約には注意が必要です。タマホームが採用しているのは、日本の木造住宅で最も一般的な「木造軸組在来工法」です。
この工法は柱と梁で建物を支える構造のため、設計の自由度は高いものの、建物の耐震性を確保するためには一定の間隔で耐力壁や柱を配置する必要があります。
実現したい間取りが構造的に可能かどうかは、設計担当者との入念な打ち合わせが不可欠です。
タマホームでは、一般的な住宅の範囲を超えるような特殊な設計には対応が難しい場合があるため、こだわり抜いた間取りを希望する場合は、その点を念頭に置いておく必要があります。
タマホーム大安心の家での後悔事例
「大安心の家」はタマホームの主力商品であり、多くの方がこの商品で満足のいく家づくりを実現しています。しかし、一方でいくつかの「後悔するポイント」が聞かれるのも事実です。
これらの事例を事前に知っておくことは、失敗を避ける上で非常に有益です。
後悔の声として最も多く挙がるのが、コンセントの位置と数に関する問題です。
間取りを考えている段階では最適な配置だと思っても、実際に家具を置いて生活を始めると「ここに欲しかった」「数が足りない」と感じるケースが少なくありません。
テレビの配置を変えたらアンテナ端子が遠くなり配線が乱雑になった、という失敗談もあります。
これを防ぐには、計画段階で家具の配置まで具体的にシミュレーションし、少し多めに設置しておくことが有効です。
また、担当者とのコミュニケーション不足に起因する後悔も見受けられます。
特に、営業担当者が設計プランまで担当するタマホームでは、担当者の提案力や経験値が家の出来栄えに大きく影響します。
施主側のイメージが曖昧なまま話を進めてしまい、完成後に「イメージと違った」と感じることもあります。
自分のこだわりや理想のイメージは、写真やイラストを使って具体的に伝え、意思の疎通を密に図ることが大切です。
ローコストで工期が短い分、施主側にもスピーディーな判断が求められるため、事前の情報収集を怠らない姿勢が後悔しないための鍵となります。
タマホームの豪邸プランを具体的に検討

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ここまでは、タマホームで豪邸を建てる上での基本的な考え方や注意点を見てきました。
次は主力商品である「大安心の家」に焦点を当て、より具体的な価格感やプラン、他の商品ラインナップとの違いを比較しながら、あなたの理想の家づくりをどのように進めていくべきかを探ります。
大安心の家のリアルな総額を解説
タマホームの「大安心の家」を検討する際、坪単価の表示だけを見て予算を考えると、最終的な総額との間に大きな乖離が生まれる可能性があります。
リアルな総額を把握するためには、本体工事費以外に必要な費用を理解しておくことが不可欠です。
2025年現在、「大安心の家」の坪単価は、仕様や地域によって変動しますが、おおよそ50万円台後半から70万円程度が一つの目安です。
仮に坪単価60万円で40坪の家を建てると、本体工事費は2,400万円となります。しかし、実際に支払う総額はこれだけでは済みません。総額は主に以下の3つの要素で構成されます。
本体工事費
建物そのものを建てるための費用です。全体の約70%~80%を占めます。
付帯工事費
屋外給排水工事、ガス工事、地盤改良工事、外構工事など、建物本体以外で必要になる工事の費用です。全体の約15%~20%を占めます。
諸費用
住宅ローン手数料、登記費用、火災保険料、印紙税など、工事以外で発生する費用のことです。全体の約5%~10%を占めます。
これらの付帯工事費と諸費用を合わせると、一般的に本体工事費の20%~30%が追加で必要になると言われています。
したがって、本体工事費が2,400万円の場合、総額は2,880万円から3,120万円程度になる計算です。
豪邸と呼ばれるような60坪の家を坪単価65万円で建てると、本体工事費は3,900万円となり、総額では4,680万円から5,070万円程度が一つの目安となるでしょう。
大安心の家で建てる平屋プランとは
近年、世代を問わず人気が高まっているのが平屋の住まいです。
「大安心の家」でも、もちろん平屋を建てることが可能です。ワンフロアで生活が完結する平屋は、階段の上り下りがないため生活動線がシンプルで効率的です。
特に広い土地を確保できる場合、贅沢な空間の使い方をすることで、二階建てとは異なる魅力を持つ豪邸を実現できます。
平屋の最大のメリットは、その動線の良さとバリアフリー性能です。
掃除や洗濯といった家事が楽になるだけでなく、将来的に年齢を重ねても安心して暮らせます。
また、すべての部屋が地面に近いため、構造的に安定しやすく、地震の揺れに対して強いという利点もあります。
家族が同じフロアで過ごすため、自然とコミュニケーションが取りやすくなるのも魅力です。
一方で、平屋にはデメリットも存在します。二階建てと同じ延床面積を確保しようとすると、より広い敷地面積が必要になります。
また、建物の基礎や屋根の面積が大きくなるため、坪単価で比較すると二階建てよりも割高になる傾向があります。
タマホームでは、平屋に特化した商品としてガレージ付きの「GALLERIART」などもラインナップされており、ライフスタイルに合わせた多様な平屋プランを検討することができます。
「大安心の家」で自由設計の平屋を建てることは、広さを活かした開放的な豪邸を求める方にとって、非常に魅力的な選択肢と言えます。
大安心の家とザタマホームの違い
タマホームの商品ラインナップを調べる中で、「大安心の家」と「The TamaHome」という言葉を目にすることがあるかもしれません。
この二つの違いを理解することは、自分のニーズに合った商品を選ぶ上で役立ちます。
結論から言うと、「大安心の家」はタマホームの基幹となる主力商品であり、「The TamaHome」は特定のコンセプトを持つ複数の商品をまとめたシリーズ名です。
つまり、「大安心の家」は一つの具体的な商品プランを指しますが、「The TamaHome」はその中に多様なプランを含んでいます。
商品・シリーズ名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
大安心の家 | 長期優良住宅に標準対応。自由設計でコストと品質のバランスが良い、タマホームのベストセラー商品。 | 初めての家づくりで、品質や保証を重視しつつ、予算内で自分たちの要望を形にしたい人。 |
The TamaHomeシリーズ | デザイン性やコンセプトを重視した商品群。以下のような多様なプランを含む。 | 標準仕様以上にデザインや特定のライフスタイル(ガレージ、3階建てなど)にこだわりたい人。 |
(例) 大安心の家 PREMIUM | 「大安心の家」をベースに、軒の出を深くしたり、サッシの高さを揃えたりして重厚感と上質感を高めたハイグレード仕様。 | ローコストでも高級感のある外観や内装デザインを追求したい人。 |
(例) 木望の家 | 都市部の狭小地に対応可能な3階建てプラン。二世帯住宅や店舗併用住宅にも対応。 | 都市部で土地の広さが限られているが、広い居住空間を確保したい人。 |
(例) GALLERIART | ビルトインガレージを備えた平屋プラン。趣味の空間を大切にしたい方向け。 | 車やバイクが好きで、ガレージを中心としたライフスタイルを送りたい人。 |
このように、「大安心の家」が幅広いニーズに応えるスタンダードな選択肢なのに対し、「The TamaHome」シリーズは、より特定の要望やこだわりを持つ方に向けた、多彩な選択肢を提供していると理解すると分かりやすいですね。
オプション追加でどこまで豪華になる?

タマホーム公式サイト
タマホームの魅力は、コストを抑えた標準仕様にありますが、そのまますべての人が満足できるわけではありません。
むしろ、「基本はシンプルに抑え、こだわりたい部分にだけオプションで費用をかける」という考え方が、タマホームで賢く豪邸を建てるための鍵となります。
オプションを効果的に活用することで、内外装の質感を大きく向上させ、豪邸と呼ぶにふさわしい豪華さを演出することが可能です。
例えば外観では、標準のサイディングから、メンテナンス性に優れ重厚感のあるタイル外壁や、デザイン性の高い塗り壁に変更するだけで、家の印象は劇的に変わります。
内装においては、床材を標準のフローリングから無垢材や天然石のタイルに変えたり、壁の一面にデザイン性の高いエコカラットなどを採用したりすることで、空間に深みと高級感が生まれます。
また、設備面でのグレードアップも満足度を高める上で有効です。キッチンを海外製のハイグレードなものに入れ替えたり、浴室にジェットバスや大型テレビを設置したりすることもできます。
さらに、一年中快適な室温を保つ全館空調システムを導入すれば、生活の質そのものを向上させられます。
ただし、これらのオプションは当然ながら追加費用が発生し、多用すればローコストというタマホームの最大のメリットが薄れてしまいます。
どこにお金をかけ、どこは標準仕様で満足するのか、自分たちの価値観に沿った優先順位を明確にすることが、後悔のない家づくりのために不可欠です。
『タマホームで豪邸は建てられる?価格と間取りでわかる実現のコツ』総括
- タマホームはローコスト住宅メーカーであるため一般的にイメージされる高級建材や特殊設計を多用した豪邸建築は得意分野ではない
- しかし広大な延床面積を持つ住宅をコストを抑えて建てることは可能でありそのスケール感は多くの人にとって豪邸と映る可能性がある
- タマホームの主力商品である大安心の家は長期優良住宅に標準で対応しており坪単価の目安は50万円台後半から70万円程度である
- ただし実際に支払う総額は本体工事費に加えて付帯工事費や諸費用が必要となり本体価格の1.2倍から1.3倍程度を見込む必要がある
- 標準仕様でも国内大手メーカーの設備が採用されており他のローコストメーカーと比較して充実した内容となっている
- 自由設計が基本であるため吹き抜けや平屋といった人気の間取りも実現可能だが木造軸組工法の構造的な制約から極端な大空間や大開口には限界がある
- オプションを追加することで外壁や内装設備のグレードを上げ豪華さを演出することはできるがコストとのバランスを慎重に検討することが鍵となる
- 後悔しないためにはコンセントの位置など細部に至るまで施主自身が情報収集を行い明確なイメージを持って打ち合わせに臨むことが不可欠である
- 最終的にタマホームは価格を抑えつつ広さを追求した豪邸を建てたい人にとって有力な選択肢となる
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