ミサワホームでの家づくりを検討されている方や、既にお住まいの方にとって、室内の空気環境を左右する「24時間換気システム」は関心の高い設備の一つではないでしょうか。
「標準で付いてくる換気システムはどんな特徴があるの?」「熱交換の仕組みは省エネになる?」「冬は寒いと聞いたけど本当?」など、性能から使い勝手、コスト面に至るまで、様々な疑問が浮かぶことでしょう。
この記事では、ミサワホームが採用する換気システムの基本的な仕組みやメリット・デメリットを、利用者の口コミも交えながら多角的に掘り下げます。
さらに、日々のお手入れ方法やフィルター交換、気になる電気代まで、快適な住環境を維持するために知っておきたい情報を網羅的に解説します。
この記事を最後までお読みいただくことで、ミサワホームの換気システムを正しく理解し、ご自身のライフスタイルに合わせて賢く活用するための知識が身につきます。
- 換気システムの基本的な仕組みと特徴
- 季節ごとの使用感と利用者の口コミ
- フィルターの掃除や交換などメンテナンス方法
- 電気代や交換費用などのランニングコスト
ミサワホームの換気システムが持つ基本的な特徴

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まずは、ミサワホームの換気システムがどのようなもので、どんな仕組みで動いているのか、その基本的な部分から見ていきましょう。
家の快適性と健康を支える重要な設備の全体像を掴みます。
標準仕様である第一種換気の特徴
ミサワホームが標準で採用しているのは、主に「第一種換気」方式です。
これは、室内に新鮮な空気を取り込む「給気」と、室内の汚れた空気を外に追い出す「排気」の両方を、機械の動力を使って強制的に行う換気方法を指します。
他の換気方法として、排気のみを機械で行う「第三種換気」がありますが、第一種換気は外部の風の強さや天候に左右されず、常に計画的で安定した空気の入れ替えを実現できるのが大きな特徴です。
言ってしまえば、家全体が常にコントロールされた呼吸をしているような状態をつくりだすのが、第一種換気の役割です。
ただし、給排気両方にファンを動かす動力が必要なため、第三種換気に比べて初期費用やランニングコストが少し高くなる傾向がある点は、デメリットとして挙げられます。
なぜ24時間換気システムが必要か

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現代の住宅において、24時間換気システムの設置は建築基準法で義務付けられています。

この背景には、住む人の健康を守るための明確な理由が存在します。主な目的は「シックハウス症候群の防止」と「結露の抑制」の二つです。
近年の住宅は、冷暖房効率を高めるために非常に高い気密性を持っています。
これは省エネの観点からは大きなメリットですが、一方で空気の逃げ場がないという側面も持ち合わせます。
そのため、建材や家具、接着剤などから揮発するホルムアルデヒドといった化学物質が室内に滞留しやすくなります。
また、高気密住宅では、人の呼吸や調理、入浴などで発生した水蒸気も室内にこもりやすくなります。
この湿った空気が、冬場に冷たい窓ガラスなどに触れると結露が発生し、カビやダニの温床になりかねません。
計画的な換気を行うことで、余分な湿気を排出し、結露を防ぎ、家そのものの寿命と住む人の健康を守るという、非常に大切な役割を担っているのです。
熱交換器がもたらす省エネ効果

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第一種換気システムの大きな利点の一つに、「熱交換」機能があります。
これは、換気の際に捨てられてしまう室内の空気の「熱」を回収し、新しく取り込む外気に移すことで、冷暖房のエネルギーロスを最小限に抑える仕組みです。
例えば冬場、暖房で暖められた20℃の室内空気を排気すると同時に、0℃の冷たい外気を取り込むとします。
熱交換機能がない場合、0℃の空気がそのまま室内に入ってくるため、エアコンはそれを20℃まで温めようとフル稼働しなければなりません。
しかし、熱交換器を介することで、排気する20℃の空気の熱を利用して、取り込む0℃の空気を15℃程度まで温めてから給気することが可能になります。
これにより、エアコンの負荷が大幅に軽減され、快適な室温を維持しながらも、消費電力を抑えることにつながります。
これは夏場も同様で、冷房で冷やされた室内の冷たい空気を利用し、外の熱い空気を冷やしてから室内に取り込みます。
ミサワホームが採用するシステムでは、この熱交換率が70~80%とされており、省エネ性能の向上に大きく貢献しています。
この機能は、快適性と経済性を両立させるための、現代住宅における重要なテクノロジーと言えるでしょう。
実際の利用者の口コミや評価は?

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ミサワホームの換気システムについて、実際に住んでいる方からは様々な声が聞かれます。
これらの口コミは、システムの長所と短所を実生活の視点から理解する上で非常に参考になります。
肯定的な評価としては、「結露がほとんど発生しない」「家の中の空気がいつもきれいで、嫌な臭いがこもらない」といった、換気性能の高さを実感する声が多く見られます。
特に高気密住宅における結露やカビの抑制効果は、多くの利用者がメリットとして感じているようです。
一方で、注意すべき点として挙げられるのが「冬場の寒さ」です。
熱交換機能があるとはいえ、外気温が非常に低い地域や日には、給気口から入る空気が少し冷たく感じられることがある、という意見がけっこうあります。
「スイッチを『弱』にしても寒い」と感じる方もいるようです。
また、「フィルター掃除が意外と面倒」「運転音が少し気になる」といった、メンテナンスや静音性に関する指摘もあります。
これらの口コミから、換気システムは多くのメリットをもたらす一方で、住む人の体感やライフスタイルによっては工夫が必要な側面もあることがわかります。
冬の結露防止や夏の湿気対策

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24時間換気システムは、年間を通じて室内の湿度をコントロールし、快適な住環境を維持する上で欠かせない役割を担っています。
特に、日本の気候における二大課題である「冬の結露」と「夏の湿気」に対して、大きな効果を発揮します。
冬場は、暖房の使用や調理、人の呼吸などによって室内に多くの水蒸気が発生します。
高気密な住宅ではこの湿気が逃げ場を失い、温度の低い窓際や壁の隅で結露となって現れます。
これを放置すると、カビやダニが繁殖する原因となり、アレルギー疾患などを引き起こす可能性も否定できません。
24時間換気システムは、この湿気を含んだ空気を常に外に排出し続けることで、結露の発生そのものを効果的に抑制します。
一方、高温多湿となる夏場は、家全体のジメジメとした不快感が問題となります。
換気システムは、室内にこもった湿気を排出し、空気のよどみをなくすことで、カラッとした過ごしやすい環境づくりを助けます。
ミサワホームが採用する全熱交換型の換気システムであれば、外気の湿度をある程度調整してから室内に取り込むため、エアコンの除湿機能の負担を軽減する効果も期待できます。
ミサワホームの換気システム利用時の注意点

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次に、実際に換気システムを利用する上で気になる点や、日々のメンテナンスについて詳しく解説します。
システムの性能を最大限に引き出し、長く快適に使い続けるためのポイントをみていきましょう。
冬場に寒いと感じる時の対処法
熱交換機能付きの第一種換気システムでも、特に外が寒い日に給気口からの冷気を感じてしまうことがあります。
これは、システムの性能限界というよりは、快適性を保つための調整で対応できる場合がほとんどです。システムを完全にオフにすることは、結露や空気の汚染につながるため推奨されません。
まず試すべきなのは、コントローラーでの運転モードの切り替えです。
ただし、換気量が極端に少なくならないよう、生活スタイルに合わせて調整することが大切です。
それでも寒さが気になる場合は、各部屋の天井や壁についている丸い給気グリル(吹出口)の開き具合を調整する方法もあります。
グリルを少し絞ることで、その部屋への給気量を個別に減らすことが可能です。
ただし、完全に閉じてしまうと換気計画が崩れるため、少しだけ絞る程度に留めるのが良いでしょう。
これらの調整を行っても改善しない場合は、換気以外の要因、例えば窓の断熱性能なども見直してみると、より快適な住環境に繋がります。
フィルターの掃除方法と頻度

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換気システムの性能を維持し、常にきれいな空気を室内に供給するためには、定期的なフィルターの清掃が不可欠です。
フィルターがホコリやゴミで目詰まりを起こすと、換気量が低下して十分な換気ができなくなるだけでなく、モーターに余計な負荷がかかり、故障や電気代の増加につながる恐れがあります。
清掃の目安は、およそ2ヶ月に1回です。ミサワホームの換気システム(A7タイプなど)は、コントローラーに「フィルターお手入れ」の表示が出て清掃時期を知らせてくれます。
フィルターの種類別お手入れ方法
標準フィルター(OAフィルター・RAフィルター)
掃除機で表面のホコリを吸い取るのが基本です。汚れがひどい場合は、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、軽く押し洗いしてください。
ゴシゴシ擦ったり、熱湯を使ったりするのは変形の原因になるため避けましょう。洗浄後は、完全に乾かしてから元に戻します。
高捕集フィルター
このフィルターは非常にデリケートなため、水洗いはできません。表面を傷つけないよう、掃除機で軽くホコリを吸い取る程度に留めてください。
HEPAフィルター
高性能なHEPAフィルターは清掃ができません。交換時期が来たら、新しいものと交換する必要があります。
これらの清掃を定期的に行うことが、システムを長持ちさせ、快適な空気環境を保つための鍵となります。
お手入れサインのリセット方法

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フィルターの清掃を終えたら、忘れてはならないのがコントローラーの「お手入れサイン」をリセットする作業です。
このリセット操作を行わないと、清掃をしたにもかかわらず、コントローラーのランプが点灯または点滅し続け、次回の清掃時期が分からなくなってしまいます。
リセット方法は機種によって若干異なりますが、基本的にはフィルター清掃後にコントローラーの特定ボタンを長押しするなどの操作が必要です。
知恵袋などの口コミでは「操作が少し分かりにくい」という声も見られるため、最初に取扱説明書でリセット方法を確認しておくことをお勧めします。
取扱説明書が見当たらない場合は、ミサワホームのオーナー向けサイトやサポートセンターに問い合わせるのが確実です。
また、A7タイプなどの機種では、エラーコードが表示されることがあります。
例えば「E-03」や「E-04」といった表示は、フィルターの目詰まりなどによる風量低下を示しています。このサインが出た場合は、速やかにフィルターの点検・清掃を行い、その後でエラーのリセットを試みてください。
フィルター清掃とリセット操作は、必ずセットで行う習慣をつけることが、システムの正常な運用に繋がります。
部品の交換費用はどのくらいか
24時間換気システムを長期間使用していく上では、定期的なメンテナンス費用に加えて、部品の交換費用も考慮しておく必要があります。
特に、ファンを動かすモーターや、熱交換を行う素子(エレメント)は消耗品であり、交換の目安はおおよそ10年とされています。
ミサワホームでは、これらの主要部品をまとめて交換する「まるごと交換パック」というサービスが用意されています。
費用は設置されている換気システムの台数によって異なり、所有者にとっては交換費用の目安として非常に参考になります。
パック内容 | 台数 | 料金(税込) |
---|---|---|
まるごと交換パック | 1台 | 49,600円 |
まるごと交換パック | 2台 | 62,800円 |
まるごと交換パック | 3台 | 94,200円 |
吸込みグリル交換 (オプション) | 1台あたり | +3,500円 |
※上記は提供されている情報に基づく参考価格であり、最新の価格はミサワホームにご確認ください。
この他に、日常的に交換が必要となるのがフィルターです。
これらの将来的な出費も念頭に置いておくと、より安心して住み続けることができるでしょう。
月々の電気代についての目安

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24時間換気システムは、その名の通り24時間365日、常に稼働させることが前提の設備です。
そのため、気になるのが月々の電気代ではないでしょうか。結論から言うと、その電気代は多くの方が想像するよりも比較的安価です。
ミサワホームの資料によれば、フロアセントラル熱交換換気システムの場合、ランニングコストは1フロアあたり1日で約26円とされています。
これを一般的な2階建て住宅(2フロア)で1ヶ月(30日)稼働させたと仮定して計算すると、以下のようになります。
26円 × 2フロア × 30日 = 1,560円/月
つまり、月々にかかる電気代の目安は1,500円から1,600円程度と考えられます。
もちろん、これは「標準」モードで運転した場合の計算であり、「弱」モードで運転すれば、さらに電気代を抑えることが可能です。
また、契約している電力会社や料金プランによっても金額は変動します。
家の健康と家族の健康を維持するための必要経費として捉えるのが妥当かもしれません。
総括:ミサワホームの換気システムを賢く使う
ミサワホームの換気システムは、現代の高気密・高断熱住宅において、快適で健康的な暮らしを支えるための重要な設備です。
その仕組みや特性を正しく理解し、日々の生活の中で適切に運用していくことが、そのメリットを最大限に引き出す鍵となります。
この記事で解説したポイントを以下にまとめます。
- ミサワホームは給排気を機械で行う第一種換気が標準
- 第一種換気は天候に左右されず安定した換気量を確保できる
- 24時間換気はシックハウス症候群の防止が大きな目的
- 高気密住宅の結露やカビの発生を抑制する役割も担う
- 熱交換機能により換気時のエネルギーロスを大幅に削減
- 冬は排気の熱で給気を温め、夏は冷やして室内に取り込む
- 熱交換は冷暖房の効率を上げ省エネと光熱費削減に貢献する
- 利用者からは結露がない点や空気の清浄さを評価する声がある
- 一方で冬場の寒さやメンテナンスの手間を指摘する声も存在する
- 寒い場合は運転モードを「弱」にしたり給気口を調整したりする
- システムの停止は結露や空気汚染のリスクがあるため非推奨
- フィルター掃除は2ヶ月に1回が目安で性能維持に不可欠
- 清掃後はコントローラーのお手入れサインをリセットする
- モーター等の交換目安は約10年で交換パックサービスがある
- 月々の電気代は2階建てで1,500円程度が目安となる
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